よくある転職理由の上位に人間関係(パワハラ、いじめ含む)があり、製造業でも同じ理由で悩んでいる人はたくさんいます。
わたし自身もパワハラで退職をした経験がありますが、身を引く退職をした後の再就職は悲惨なものでした。
今こうして転職関連の情報を集めて「あの時こうしておけば良かった」など、解ってきたことがあるのでこの記事で共有していければいいなと思っています。
人間関係が原因で転職した方にアンケートを実施し、どういった内容で困っていたか、対策はどうしたか、転職後はどうだったかを集計しました。
製造業での転職理由はこちら
以前製造業経験者へ独自アンケートをし、退職理由を集計したところ人間関係が一番多いことが分かりました。
人間関係に含めた項目はパワハラや社内いじめとなっています。
人間関係で多かったのはいやがらせ
今回のアンケートで一番多かった内容が「職場内でのいやがらせ」でした。
内容も多種多様だったため、上司や先輩がパワハラかいやがらせかの区別が難しいところだったので、直接的に(間接的に)被害を受けたかどうかで分けました。内容は仕事を振らない、教えてくれないなど、回答の数だけトラブルの内容が違うといった結果に。
パワハラ
- 理不尽な叱責
- 業務の強要
- いやがらせ
いやがらせ
- うわさを流された
- 仕事を教えてもらえない
その他
- トラブルに巻き込まれた等
人間関係で悩んだ時の対策は?
人間関係で悩んだ時の対策についてのアンケート結果です。
3割以上の人が上司に相談をするという結果りなりましたが、改善したという内容は一つもありませんでした。上司に一応の動きはあったものの対応は当事者との話し合い程度に留まるなどの内容が目立ちました。
転職した人に対して行ったアンケートなので、改善したケースは出てきにくいといった側面もありますが、上司も会社の人間なわけで、人間関係のトラブルに関わりたくないというのは必然なのかもしれませんね。
- 演技した
- レコーダーで録音した
- カウンセラーに相談
他にも対策をせずに転職活動へ方向転換した人や、レコーダーを使って録音(わたしもやったことがあります)をした人もいました。
レコーダーに関して実体験を元に話しますが、「自分を守るための行為」としてはかなり効果がありました。いざという時の証拠にもなりますし、それが後ろ盾となって不当に扱われている最中もきちんと録音出来ているかどうかの方が気になって仕方ありませんでした。(笑)
見つかったら困るという人はレコーダーを2台持って2重録音をするという手もあります。
労基に相談しに行ったという回答もありましたが、いずれも「相手にされなかった」「証拠が不十分だった」などの回答で、わたしの時も同じ状況でした。
転職後に気を付けたこと
人間関係で悩んだ後の転職は「また同じ環境になったらどうしよう」という不安が付いて回るものです。
実際に転職をした人たちは新しい職場ではどんなことに注意して仕事に向き合ったのかアンケート結果をみていきます。
一番多かったのが16件で「コミュニケーションを重視した」という結果になりました。
続いて8件の距離感を重視した、6件の仕事と割り切ったという結果になりました。
- 「転職先での人間関係が不安だったが、いざ転職してみるとみんな優しい人ばかりだった」
- 「相性が合う合わないは必ずあるのでそれを意識した」
- 「もう一切心を開かないと決めていた」
- 「前職以上に悪いところはないだろうと思っていたので気が楽だった」
など前向きな回答が多く。回答文からの考察では38人中34人が転職先では不安なく仕事をしている回答でした。
パワハラした側はどういった心境だったのか?
続いてパワハラやいやがらせ・いじめをした側にもアンケートをとりました。
パワハラなどをしているという認識はあったか?
回答しづらい内容のアンケートでしたが、40件募集したところ13件の回答が集まりました。
まずは当時パワハラを自身がしているという認識はあったか?という問いについて。
- あった・・・5人
- なかった・・・7人
- うすうす感じてはいた・・・1人
といった結果になりました。
「なかった」と回答した人は「上司に言われて気づいた」「後になって本人に言われた」など、自分から気付くことはなかったことがわかりました。
どんな内容だったか
続いてパワハラなのかいやがらせなのか内容の種類は
- パワハラ・・・8
- いじめ・・・4
- いやがらせ・・・4
- セクハラ・・・1
といった内容になりました。
きっかけや事例について
きっかけについて
- 教育のためと思って一人で作業を進めさせたが、行き詰った時にフォローを入れなかったことで本人が追い込まれてしまった。
- 相手の態度が悪かった。入社初日からタメ口で気に入らなかった。
- 仕事が遅くてイライラしたから。
- 上司にパワハラ(自分の部下に対して)を強要させられた。
- 言われたことをやらずに勝手な事ばかりするから
といった内容がありました。
相手が気に入らないからといった理由(態度が悪かったなど)で初めから排除しようとしていた人もいましたが、仲良くなったり排除してしまったりしていた事例もありました。
意図せずにパワハラになってしまったケースもありましたので、ちょっとした意思疎通のズレが原因になっているのではないかな?といった感触をもちました。
その後相手との関係はどうなったか
その後の関係性はどうなったかについて
- 本人が転職・・・3
- 相手が転職・異動・・・4
- 謝罪をした・関係が修復された・・・5
- 変化なし。関係が悪いまま・・・1
といった結果になりました。
おおよそ3分の2が関係が改善しないままとなった結果になりました。
人間関係に悩んだら考えること
他人を変えることはできない
人間関係について悩んだら最初に意識して欲しいのが
「他人を変えることはできない」
ということ。
パワハラをやめてほしいと思っていても、やっている相手が自分は
正しいことをしていると思っている以上やめることはできません。
自分の行為を否定されるというのは誰でも受け入れられないものです。
ただし、絶対に変えることが出来ないというわけではなく、変えるとなるとかなりの労力が必要となります。
自分を攻撃してくるような人間に対してそこまで労力をかけたいと思いますか?
兆候が見えたら悪化する前に対処を考える
「あれ?おかしいな」と感じたらパワハラやいやがらせの兆候が見えてきているのかもしれません。
改善したいと考えているのなら、なぜ相手から違和感を感じるのかを分析し、自分の行動を振り返る必要があります。
改善したいと思わないなら、関係がこじれる前に転職活動をする必要がありますし、転職をしたくないなら、部署異動やレコーダーを準備するなどの対処も検討する必要があります。
人間関係まとめ
人間関係に悩んだらすること
相手を変えようとするのは転職より大変なことです。それよりは自分の考え方や環境を変える方に意識や労力を向けた方があなたのためになります。
- 転職活動をする
- 自分の考え方を変える
この2つが状況改善に有効です。
上司や労基など、人に相談するのもいいですが、今回のアンケートの結果からみると気休め程度にしかならないことがわかりました。
やり返してみたら相手がひるんでいやがらせをしなくなったといった事例もありましたので、その気があるのならやってみてもいいかもしれません。
転職先で気を付けること
転職後に人間関係を不安に思うのは誰でも同じです。しかし対処方法の知見が少しでもあれば不安は軽減できます。
- コミュニケーションを大事にする
- 距離感を大事にする
- 仕事と割り切る
上記の3つから自分の得意なスタンスで向き合うといいでしょう。
どうするか決めたら、そのスタンスを変えたりしないこと。人は予測不可能な行動をされたときに混乱しやすいもので、そういったときに感じた違和感からパワハラやいやがらせが発生していると、今回のアンケートで感じました。